cobblestone appearanceは,敷石像,敷石様外観とも呼ばれ,Crohn病(Crohn’s disease ; CD)に特徴的な形態所見である.
本邦におけるCDの診断基準では,縦走潰瘍とともに主要項目の1つとして挙げられている1).
他の疾患が除外できればcobblestone appearanceの存在のみでCDと確定診断することが可能である.
したがって,画像所見でCDのcobblestone appearanceか否かを読み取ることが鑑別診断のうえで非常に重要である.
その成因は,網目状に縦横に走行する潰瘍によって囲まれた残存粘膜が,島状に膨隆したものが集合することによる.
通常は活動性の縦走潰瘍部に認め,名称は西欧の石を敷きつめた歩道に由来する.局所の炎症が高度な時期にみられ,
治療により,所見は軽快ないし消褪する.炎症性ポリープの密在との判別は難しい場合があり,
通常はこの場合もcobblestone appearanceと呼ぶが,縦走潰瘍の並存がない点が異なる.
小腸では典型的なcobblestone appearanceを呈する頻度は低いが,CDでしかみられない極めて特異性の高い所見と言える(Fig. 1).
大腸では小腸より頻度が高い所見で,上行結腸や下行結腸(Fig. 2)で典型像を認めることが多い.